美香の苦悩爆発
「呆れた・・完全に呆れたわ・・ほうですか。自分の血の繋がった娘、今度は手に負えんきんちゅうて勘当かいね。ははぁ・・佐伯さん、あんた、やっぱりわしより先に地獄見ますわ。そなな父親、経営者には絶対人はついて来ん。ほな、前島さんとよう相談させて貰いますわ。あ・・勘当するんなら籍抜いとって下さいや。ちゃんとその辺をせんと、裁判する事になりますきんね。わしは、ちゃんとしたその道の弁護士、その時にはつけますきんね」
佐伯が言葉を失った。沢木が手を完全に手を引くと言う本当の意味を、彼はこの時分かって居なかったのだ。感情を激すまいと佐伯は堪えて来た。しかし、沢木は佐伯を怒らせる事で、本音を聞き出したのだ。もう沢木には、美香を実母に引き渡す秘策が出来上がっていたのである。
後年、佐伯は、沢木を怒らせた事が一番の自分の失敗と、周囲に語っている。正にその時、天国から地獄へと突き落とされるのである。
こうして、美香は3日後、実母と再会。美香に会いたくて、何度も訪問したが門前払いを受け、手紙を出したが届かず、自分の息子、娘を手放した事をどれだけ後悔したのか、手を取り合って号泣したのだった。




