美香の苦悩爆発
「・・これは・・」
さっと顔色の変わる佐伯。
「重症に至る1歩手前ですわ。お嬢さんは躁鬱状態。それは間違い無い。そう言う状態じゃきんこそ、わしは、実母と一緒の環境を提案しとる訳です」
佐伯は、顔を上げ、少しむっとした表情で
「正直ショック受けとります・・きんど、沢木さん、美香は佐伯家の娘です。何でここまで貴方がされるんかいね。昨日の事から始まって、ちょびっとお節介の度が過ぎとりませんか」
沢木はそれには頷いた。
「言われる事、ご尤も。わしにも娘が二人居る。ほやきんど、そなな事と直接今回の件を結びつけとりはせんのです。わしは、一端お嬢さんを自社にお預かりした以上は、自分とこの社員として責任を持っとります。その上で、全社員は自分の家族と思うとります。何を青臭い事と思われるかも知れませんきんど、別に佐伯家から預かった娘さんやきん言うて特別の眼かけたり、扱いはしとらんつもりです。電話では乱暴な言い方しましたきんど、わしは従業員に給料を払わないかんし、その従業員の家族にも生活の保証をしてやらないかん義務がある。従業員なんぞ、気に要らんかったら首切って、幾らでも雇えばええ見たいな経営者にはなりとう無いんですわ」




