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美香の苦悩爆発
まず、沢木は出過ぎた事を詫び、電話の件の事も説明した。沢木が引いた所で、それは大きな影響は無いとは思うが、企業人沢木と縁が切れるのは少し佐伯にとっては痛い事だ。沢木に繋がる人脈は、KS食研㈱、青木産業、HZK・・その他数え切れない程で、その各経営者達の信頼も厚い。つまり、彼を敵にだけは回したくない佐伯は、この夜沢木との会話を重視したのだ。
「わしも美香の事を気付かなんだ非がありますわ。父親ちゅうんは、正直情けないもんです。娘の事をわしは分かってやれなんだ」
佐伯の言葉は、非常に物分りの良い父親のようだ。しかし、それが真実だとしても、深く傷つき、命まで絶とうとした美香の心を取り戻せる訳でも無い。又、そう言う家庭内に戻しても彼女と佐伯家の修復など不可能だ。
沢木は、美香の診断書を見せた。それは、実は病院で診断して貰った訳では無い。症状を事細かくまとめ、知り合いの医者に美香の症状を分析して貰ったものだった。




