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美香の苦悩爆発

「おう、美味いのう。美香ちゃんがサラダ作ったんか」

「はい。良いですね、この近所っちゃレタスもセロリも野菜が殆ど地採れじゃし、オーナーの所は、殆ど有機栽培の野菜を食べられとるそうですね」

「おう、その通りじゃ。ほんまはの、これが本来の野菜ちゅう味じゃ。きんど、これは素材だけで無い。美香ちゃんが一生懸命作ってくれた言う味が出とる、美味しいのう」


 その台詞はどこかで、聞いた事がありそうだ。沢木は美香の心を幸せで一杯にした。こんなにありふれた言葉だがその一言が心を満たす事があるのだろうか。

 美香は今で言う、うつ病の一歩手前であった。だから、沢木は予断を許さない状況を厳しい言葉で佐伯に投げつけたのである。佐伯も全てを理解している訳では無いだろうが、佐伯自身はともかくとして、あの智子と言う義理の母親が居る家に居ては美香が持つまい・・そう判断したのであった。

 多忙の中にも、沢木は自分の祖父母の行為を忘れる事は無い。親から子へ、そして孫へ、伝承するその姿勢と言うものは核家族が失われる現在、失われてはならない原点があると思う。

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