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静寂の杜
その沢木の表情を見て、洋司は、
「そなん簡単な話にはならんですか・・」
沢木は少し頷き、
「簡単にはいかん、佐伯さんにとっては大事な長女。うちの事務員として預かっては居るきんど、いずれは佐伯ゴルフ振興㈱グループに戻って行くじゃろう。美香ちゃんの気持ちはわしも分かる。ほやきんど、こればっかりはわしは踏み込めん領域じゃあ。佐伯さんとこは、どんどん拡大戦略に乗っとる。もう既にゴルフ場も5つ目をオープンした。一時資金難もありはしたきんど、大きなスポンサーがついたわ、今は」
「ほうですか・・」
洋司も、それ以上はもう口を挟む事は出来なかった。沢木と入れ替わりに二人が戻って来る。
その夜を過ごし、次の日の昼前にイクちゃんが迎えに来て美香は帰って行った。
由香里は、休みには自宅周辺を散歩する。この日は夕方やや涼しくなってから散歩に出かけようとした。




