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静寂の杜
「八重子、ちょびっとええか?1時間位外出て来て」
「どうぞ。店もこの時間なら空いとるし、よおちゃんも、ちょっとは息抜きでもして来てつか」
「済まん、ほな、ちょっと・・」
由香里が、入院し一人でその間、切り盛りして来た白城。お蔭で、盛況でどうにか生計が成り立つまでになって来た。たまには息抜きも必要。八重子はそんな夫に気遣いをしている。
由香里と、美香が出かけているだろう恐らくファッション小物店は、良く彼女達が行く店だ。洋司はその附近まで車を走らせると、商店街の先にあるスーパーマーケットに駐車し、徒歩にて歩き出す。
「外は暑いのう・・はは。冷房の利いた喫茶店に居ったら、外がえらい・・」
苦笑しながら、洋司が附近のショーウインドーを見ながら歩いて行く。由香里と美香に話があってここへ来たとは言えない。仮に、彼女達がそこで買物をしていたとしても、偶然を装った演出をしなければならない。そのファッション小物店近くに、常連客の一人である花屋がある。
「あ、洋司さんで無いかいね。買物?」




