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静寂の杜

「わしゃあ、今まで感謝の気持ちだけじゃった。じゅんさんに甘えてばかりじゃった。どなな形で応える事が出来るんかと思いよった。由香里・・輝、閃を稚内GN当日帰舎出来るよう育てるんが、恩返しと思うきんど、どうじゃ?お前は、ボストンマラソンに出て完走する事じゃ。のう、八重子」


 うんうん、二人は頷いた。恩を形、態度で現す。それは、沢木にとって何よりの答えであろう・・佐々木親子は思った。

 そして、しばらく経った。三島夫婦がやって来た。

 勇次の住む大阪へ引越しをすると言う事だった。

 親子で生活する。その当り前の事をどうして、人間社会と言うものは束縛され、限定され、且つ様々な条件を要するのか・・健二の就職先が決まった事と、看護師の資格を有する玲子とは条件が異なる。


「やっと決まったですわ。わしももう40歳に届く年ですきん、なかなか再就職口ちゅうんも決まらんかったし、住居にしても都会は家賃がべらぼうに高いですきんね。ほれに、玲子も看護師の資格を持っとっても、やっぱり、子供の面倒も見えるちゅうんが、第一条件ですわ」

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