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静寂の杜

 そんな事を一言だって、沢木や香月から聞いては居ない。今初めて明かされる真実に、洋司も由香里も泣いた。何度涙を零しただろう、何度沢木、香月、京西に礼を言っただろうか・・

 京西は言う。


「運なんですよ・・奇跡を呼ぶのも、それは運命なんですよ。その運と言うのが貴方達家族にあったと言う事です。そして、その奇跡なら沢木さんの脳波停止の時も驚かされました。ははは。きっと、沢木さんも選ばれた方なのでしょう。我々は哲学家でも、作家でもありません。現実的な科学者であり、医学者です。ですので、こんな事を言うのは可笑しいかも知れないが・・それが、人間と言う動物の未知であり、奥深いまだまだ解明程遠い分野なのですよ」


 京西博士の温和で優しい瞳に、二人は何度も礼を言いながら帰途についた。八重子も声を上げて泣く。親子の何度もそうした光景が、より家族と言うものの絆を深めて行くのだった。

 洋司が言う。

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