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周囲の変化

 由香里の沢木に対する深い信頼と、尊敬して止まないその姿勢。肉親・異性を超越した所の、もっと大きな先に彼は居る。寂寥の感が今彼女を支配していても、何時でも沢木は側で見守ってくれるだろう。松本は思ったのである。

 その後、閃竜号は二度と沢木鳩舎に戻る事も無く、自分の生まれ育った佐々木鳩舎を終の棲家とするように、何の馴致訓練も経ずして日常のままに戻った。それは驚くべき事ではあったが・・・

 そして、1100キロレースは秋山が優勝、西条が2位・・1200キロレースの持ち寄りがやって来た。参加会員は、20名足らず。それなりの血統を有して無いとこの地方の1200キロレースは簡単なものでは無い。1羽も落伍させる事無く、沢木が2,3人しかその引退を知らない事だが、有終のレースにやって来た。

 松本が、


「おい、じゅん。閃は、一発で旧の鳩舎に馴致したらしいの」


 沢木は平然と、


「おいやん、鳩は居心地よ。わし等は、そこが終の棲家である安心感があるとこを提供してやる事よな」

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