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周囲の変化

 その天才的手腕が、もし、その夢想を現実にさせる力を有していても、沢木はきっとそこに向わず、立ち止まっていただろう。香月は、これ以上、自分が尊敬して止まない競翔家としての沢木を苦しめたく無かった。だからこそ、泣いたのである。川上氏は嘗て苦しんだ、香月少年と、沢木の姿を同時に感じた。

 沈黙が流れた・・

 そして・・


「先程・・佐々木鳩舎から連絡が入ったんですわ。午後9時10分、輝竜号帰舎しました」

「おう・・そうか、そうなのか・・一男君に代わるよ、沢木君」


 再び香月が電話に・・


「沢木さん・・私のような若輩が人生を語るなんておこがましいですが、不可思議な連続ですよね。この世界は・・」

「その通りですわ・・はっきり言える事は、佐々木由香里ちゃんしか、2羽を使翔出来る競翔家は居らんと思います。あの子の不思議な感性こそが、運命の糸を左右するんじゃと思います。わしでは、届かん、到底届かん・・悔しいが、それが競翔ちゅうもんの摩訶不思議です」

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