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周囲の変化
電話向こうの声は、少し落胆したように、
「沢木さんは屋上に?様子だけでも聞かせて頂けませんか?」
花山は、何故か正直にその問いに答えた。言葉の抑揚と言うのがある。感じられる響きと言うものがある。それは花山にとって、決して偽りを言ってはならない気がした。
電話向こうの声が詰まった。
「ああ・・やはり。僕は、間違っていた。沢木さんの悲壮な覚悟を・・」
そう言って電話が切れると、花山は、もう一度屋上に上がった。
沢木は、もう涙を流しては居なかった。花山に気付いた。
「おう、花山君。仕事終わったんなら、早う帰り・」
優しい微笑みの沢木に、彼女はどっと感情が押し寄せた。そして、沢木の胸に飛び込んだ。




