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周囲の変化

「20代を思い出すわ・・はは。こなな緊張感じゃったんかいのう。どなな知恵つけようが、データを集めようが、自然は千変万化する。わし等がこれを変える事なんぞ無理じゃあ。わし等は過剰な期待を競翔鳩に押しつけよんよのう。必死に戻って来る鳩を思うたら、涙が出るわ。わしには、香月博士・・無理じゃあ。夢を見ても、望んだらいかん・・」


 沢木の独り言は続く。何かに懺悔するかのような悲壮感すら感じられた。

 時計は4時を指した。沢木は一点を凝視する。空っぽの鳩舎と、一点の方向を交互に見つめる。

 5時になった。花山がもう一度屋上に上がって来る。その時、はっとなり彼女はその場に立ち竦んだ。

 沢木は、ぼろぼろ涙を零しながら空を見詰めていたのだった。花山は、胸を激しく打たれて階下に戻って行く。

 その花山の所に電話が掛かる。聞いたような声であるが、香月と名乗った。それがどのような人であるかを彼女は知らない。その人物は、沢木に替わって欲しいと言ったが、取継ぎを禁じられている彼女には、無理だと答えるしか無い。

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