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周囲の変化

 杯を傾けながら沢木が言うと、


「ほんまはな、鳩舎もちょっと離れた農家を借りて、前々からちゃんとした形にしよ思うとったんじゃ。ほんで、秋から本格的に春の子入れて選手鳩の総入替えじゃ。じゅん、お前だけじゃわの、わしのとこの選手鳩、若い鳩が最近減ったちゅうん知っとるんは」

「このつまらん能力のせいでの、どこの誰べえが、足輪の何番入れとるか頭に入っとるんよ。ははあ・・やっと分かったわ。つまり、稚内用の訓練と羽幌の訓練が違うちゅうんはそこからかい?兄やん」

「おう、出発はそこじゃ。管理全般が違うたら、己ずと方向も違う。朝は、これまでとがらっと変えて、今年春だけ自由舎外にした。近所にも今年が最後じゃきん言うて許可貰うとる。ほんで、放鳩訓練も毎朝せんようになって、休みの朝、これまでと違う、10キロ、20キロ、30キロを繰り返し行なう訓練にした。朝放鳩して、戻ったら、20キロやって、夕方に30キロやる。休み限定じゃきんど、ほしたら、わしの鳩がらっと変わった。精悍な顔付になって、これまでと違うんよ。わしゃあ、お前見たいに頭も良う無いしの、自分で積み上げて来たもんを信じてここまで来た。ほやきん、訓練法が違うと思うたんは、このやり方に変えてからじゃあ」

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