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周囲の変化
「いやいや・・味品さんとこの料理は、何時もお客さんからも聞いとりますきんど、美味しい言うて評判ですわ。これからは、もっと顔出しますきんね」
座敷に二人が入ると、既に沢木が段取りを済ませていたようで、付けだしが並び、地の魚介類の刺身、煮付が並んでいた。それも、タイミングを合わせたように今作ったものであった。
沢木が、
「品川さんはな、京都の老舗割烹の花板やっとられたんで、兄やん。わしは、ちょくちょくここの料理利用させて貰いよる。どの料理も手抜いとらんし、一技使い、隠し味も手入れとる。見事な腕じゃあ」
「美食家のお前が言う程やきん、相当じゃとは評判通りわしも思う。短時間にもうこなな料理を?」
「未だ出て来る。これは前菜やきんな、ほな、兄やん乾杯しようで」
この和食には清酒が合う。二人は冷で、備前焼の盃をかちんと言わせた。
「美味い・・この冷酒も格別じゃあ」
西条が言うと、沢木も同じく、
「この料理には、新潟の酒が良う合うわ。これは越乃景虎言うんよ、兄やん」




