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周囲の変化
言えば、沢木も、
「闇の中を蝋燭1本で進むようなもんですわ。我々は、未だ一端しか見とらんのですから」
大きく頷きながら、二人は別れた。
沢木に連絡が入ったのは、5時半を過ぎてからだった。
この日は秋山から電話が入った。沢木の午後1時半は驚異的なタイムだと驚いていた。
香月博士はそれよりも、もっと早い帰舎を予測されとったよな・・電話を受けながらにやっとする沢木。沢木は、更に早く12時半の帰舎があっても可笑しく無いと考えていた。そして、そのタイムに戻る鳩ならば、次年、閃竜号と共に稚内への挑戦をしていたかも知れない。
600キロチャリティー杯、沢木の総合優勝が700キロ四国Nレースの持ち寄り日に伝えられた。連合会では松本が2羽、秋山が1羽、西条が1羽、山部が3羽10位内に入賞。総合30位までにそれぞれ入りレベルの高さを証明していた。未だ、しかし総参加羽数2459羽の小さな総合レースであるが・・
沢木は、この日は姿を見せなかった。参加をしないのだ。




