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周囲の変化
「それがね・・香月博士、日頃の飼育する者の眼なんじゃと思うんですわ。わしは、何時も素晴らしいちゅうて思うとんのは、その貴方の先見性や、洞察力です。そこまで見抜ける方じゃからこそ、わしには、その飼育によるもっと深い部分を求められた筈です。わしはね、今日の帰舎を午後3時位に見とります。ここで着外に沈むようであれば、今春は、1000キロ、1200キロ連続参加させる2羽と、1000キロ、1400キロに参加させる3羽を分けます。その上でわしは、初霜号系の基礎鳩として、香月博士にお返しさせて頂きます」
「ふふ・・私の予想を悉く打ち破られましたね、沢木さん。到底私は、貴方のレベルには及びません。感服しました」
天才博士、競翔家と呼ばれる香月が沢木に頭を下げた・・??
沢木が苦笑しながら、
「とんでも無いですわ。方法論の違いだけですきん」
沢木が、この時間に屋上に上がっていたのは、もし・・・と言う言葉が平常に起きるのがこれも競翔・・それを知っているからだ。




