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周囲の変化

「わあ・・こりゃ、たまげた」


 沢木が全く気付かない電撃訪問だった。香月の顔に、この日は笑顔が無い。


「沢木さん・・今のお言葉、本音ですか?」


 沢木が独り言を呟いたのを聞いていた香月が、声を掛けそびれたのだが、レース中なので、音を立てないよう配慮して、静かに屋上に上がって来た香月であった。


「聞かれてしもうた見たいですな・・はは。しょうが無い。ええ、本音ですわ。実際、わしは、今春の閃竜号のレース結果に、大変落胆もし、又ほっと安心もしとります」

「沢木さん・・それこそが、研ぎ澄まされた感性による、一瞬の間なのかも知れません」

「一瞬の間・・?」


 香月が、


「そうです・・どんな優れた個体でも、100%の能力を何時も引き出していたなら、自滅します。又、能力を優先していたら、体を壊してしまいます。人間や高い知能を持つ動物は、それをコントロールする休息や眠りに意識を持って行けますが、鳥類にはそこまでの意識はありません。人間と言う高い知能を持つ動物は、自ら意識して死を選びますが、他の動物の場合は霊長類を除いてそこまでの知能は無いのです。競翔鳩を考える時、ある数個体に突然変異的な感性を持ったものが出現しています」

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