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周囲の変化
この600キロのレース、沢木は大きな最後の見極めとして重要視していた。初霜号系の主流基礎鳩としてどの位の潜在能力があるのか、又使翔にあたって沢木が心掛けた事は、出来るだけ無理をさせないと言うものであった。香月とあろう者がこの5羽の優れた資質を見逃している筈が無い。しかし、自由に使翔して下さいの言葉が本音であったにしろ、沢木には、そんな事を出来はしなかった。
「在る意味・・100%能力を出し切ったら、関東4強の鳩を凌ぐじゃろう・・底知れぬ系統じゃわ・・暁号系と言い、流石に香月博士は全く視点が違う。夜風系分派3羽・・輝くのはどの鳩かいのう・・或いは回避するんも選択肢の一つではある。わしは、もうええ。充分じゃ。やるだけの事はやった。後は由香里ちゃんに託すまで。すずらん号を上回るやも知れん能力は見せて貰うた。あの時の事故は、あれで良かったんかも知れんのう・・」
その沢木の後に、何と香月が立っていた。




