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周囲の変化
「夕刻迫る・・刻一刻の闇・・その帳の前に・・騎士は剣を抜く・・剣は虚し空と切るのみ・・やがて迫り来る漆黒の闇が・・騎士は叫ぶ・・威を持て!・・勇を開放せよ!と。常夜の月よ・・この闇を射て!今こそ、解き放て!一条の光閃が・・闇路を切り裂くまで・・」
未優はこの激しい詩に込められた、由香里の心情を考えた。
「あ・・そうか・・」
由香里が起きて来た時には、もう未優の姿は無かった。朝早く、とりに連絡をして、沢木の事務所に向っていたからだ。
「ありゃ・・未優、何でここに?」
「昨日は、この事務所泊ったんじゃろ?親父・・鳩の事?」
沢木は、少し苦笑い。
「未優・・お前もどこまで鋭いんぞ・・はは。わしが、家に戻って無い言うんを感づくとはのう」
「そう言う訳でも無いんよ。親父、由香里の不思議な能力知っとんじゃろ?勿論」
「ほ・・と、言う事はお前もとっくに知っとった言う事かいの」




