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周囲の変化
「まあ、綺麗なお嬢さん。初めて見る顔じゃねえ」
川之江市(現四国中央市)から、山越えして来る常連客のおばさんが言うと、
「今日は手伝いなんです。何時も有難う、おばちゃん」
その未優の応対がすこぶる良くて、たちまち市場はにぎやかな声が響く。
沢木は、事務所で由香里と一緒に駅の土産物を売っている。成る程・・未優が少し配置を変えただけで、メインが何であるか強調する事によって、この日は朝からかなりの物が買われた。沢木も、未優が色んな所に出かけて、驚くべき早さで吸収している知識が、正しく自分のものに出来ているのだと感じた。
午後になって、沢木が折角だからと、霧島が既に沢木スタッフの一員となり、調査中の鉱物産地の所へ二人を案内する事になった。道の駅は、田村と、地元のパートの喜井さん(42歳)が充分最近では任せられるようになって居た。
「構わんのな?駅長室開けて・・」
未優が少し心配そうに訊ねた。




