周囲の変化
洋司が何かを悟った。そう言う事か・・洋司は、それなら善意の寄付と言う形で燧灘競翔連合会の貢献が出来る・・それも、沢木の深い気遣いが感じられた。
「じゅんには、わしの修理工場のアドバイザーもして貰うとる。今はリフォームも完成して、客足が1.5倍になった。ほんのちょっとの事をわしは、気付いとらんかったんよ」
「聞かせて貰うてもええですか?」
「おう、国道から見える側に柏の木があった。これは見事なもんでのう、こればっかりは、御神木じゃ言うて誰も触ろうとせんかった。ほやきんど、その木の枝が邪魔になって、わしの修理工場の看板が眼に入らんかったんよ。又、その国道からの死角に、わしは部品取りの廃車を山積みしとったんよ。修理屋は、技術で勝負じゃ言うて思うとった。じゅんが言うんよ。『世間にゃ確かに格好ばっかり衒って中身が伴わんとこは無数にある。ほやきんど、傍目は違うんよ、兄やん。人は見えるとこには気がつくきんど、実は見えんとこは、大雑把にしとるもんじゃ。尚更客を相手にする商売は、技術は大切じゃし、接客マナーも必要じゃきんど、そう言うボロを見られるんよ。すなわち、技術は後から見せるもんかも知れんきんど、その店で若い女性客を確保したり、新車が売れるかや?』ちゅうての。これで、売上伸びんかったら、リフォーム代半額にしてもええとまで、断言しよった。ほんで、わしも、よっしゃちゅう事で改装中に、全部廃車の山片付けて、突貫工事でフロントと事務所のとこやって貰ってから、がらっと変わったわ。従業員までいきいきとして来たんよ」




