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車椅子の少女
「えと・・かれこれ、7年になるかいなあ・・わしが、高校の時からやきん」
「そのお前には、流石に松風号は知っとるやろきん、同じ血を引いた他の1羽を見せた。そやきんど、お前は外れ、その娘さんは、松風号と、他血筋を見事に当てよったんじゃ」
「えっ!娘さん?ほんで、8羽中の2羽を言い当てた?・・そななん、信じられんぞね・・ほやきんど、娘さんって誰な、松本さん」
「その娘さんが、今度東予連合会に新入会しての、秋から夜風系、勢山系血筋を競翔参加させるんじゃ」
妻鳥は、その後、松本から根堀、葉堀その娘の事について聞き出そうとするが、この場ではついぞ彼はそれ以上口を開く事は無かった。
しかし、若い女性が新加入となる事、松本鳩舎でも飛び筋中の飛び筋である。秘蔵の夜風系、松風号系統が分譲されると言う話は、瞬く間に連合会中に広がったのであった。
「なあ、お母ちゃん」
「ん?」
「お父ん、気が弱いんやきん、あんまり責めんといてな。うちの事でケンカやか、もうせんとって・・」
由香里の言葉に母、八重子は頷き、




