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周囲の変化
「その話・・甲斐田さん、近い内に相談させてつか」
「何・・ははあ・・詳しい事は知らんが、あの不自由そうな足の事に繋がるんかいの・・分かった、時間を作る。それまでにどうしたいんか、企画書を送ってくれ」
打てば響く、阿吽の呼吸に似て、甲斐田と沢木の沈黙の間には、どれだけの情報量と飛び交う会話が脳内で成されているのだろう。点と線は繋がって行く、どこまでも・・
400キロレースはやって来た。
沢木は姿を見せなかった。だが、この盛り上がりは、距離が伸びれば伸びる程高まりを見せて来た。この好調な競翔結果は、どうだ。全て沢木の仕掛けた構想が、ずばずば当たっているからに他ならない。参加羽数が増えれば増えるほど、タッチの差の帰舎順位が面白くなる。その仮定の中で、競翔家は早くから鳩舎で鳩の帰りを待つだろう。結果、懸命に戻って来る愛鳩に対して、より深く愛情を深めるであろう。風が吹けば桶屋が儲かる話では無いが、単純な理屈である。




