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希望の光
「いえいえ・・とんでも無いです」
二人の会話を黙って沢木は聞いていた。香月に由香里の事を話したきっかけで、思いも掛けない京西の高松来訪と重なったのだった。京西は由香里の診療録、データを診てくれたそうだ。深い感謝の意を沢木は、香月に申し述べた。
そして、三島勇次も今日、京西博士に診察をして貰った事は勿論沢木は知っている。しかし、その家族との関係については一切車中では語られる事は無かった。この願っても無い機会。沢木はひょっとして由香里にも・・そんな微かな望みを持っていた。京西を利用したつもりは全く無い。それは純粋に命の恩人である博士を接待したかったからで、佐々木家に電話を入れた段階で、四国の食の幸を味わって貰おうと、既にその準備は整えてあったのだ。それは香月に対する礼でもある。松本にも注文をつけている。敢えて、この場で三島親子の事を聞く事をしなかったものの、少し沢木は意図して、最近の脳外科の進歩を話の流れで伺う事にした。
「京西先生、大変なご活躍ですきんど、最近の脳科学分野はもっと進んどられるんでしょうね」




