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夢に向かい

 少し沢木は、寝るわ・・そう言って夕刻までうとうとしていたが、電話のベルが鳴る。

 香月から再び電話が入ったのだった。


 香月「今回の300キロレース、非常に興味深いですね。好調だったこれまでの100キロ、150キロ、200キロレースに対して、分速の出ないレース。どんな集団を形成して、1万余の鳩群が戻って来たのか、考えて見ました。今日の気象図も入手しましたので、シミュレーションを致しました。何回かやったシミュレーションの中で、本日12時半の帰舎は、上位に位置すると思います。曇天、所々に小雨が残り、岡山地方では霧も発生しています。当然陸伝いに鳩群は数百のグループで戻ったと思われます。距離的な計算は、直線距離×1.20として、分速1000メートル。蛇行して飛翔した筈ですから、1.30の実距離は飛んでいると仮定します。よって、初霜号系の5羽は、そのサークルに充当する訳です。しかし、閃竜号における12時帰舎、実際にはもっと早い時間の想定には、 全く別コースが考えられます。そうでないと、身体的な大差は生じない筈・・仮説を申し上げます。閃竜号は、昨秋のコースを恐らく飛び帰ったのでは無いでしょうか・・その先の説明は少し置いといて、もう一つの仮説ですが、淡路島~鳴門コースです。それならば、飛翔時刻からして、霧の発生は出て居らず、徳島、 高知競翔連合会とほぼ同じ帰舎コース。恐らく数百羽のグループが居た筈です。しかしながら、そこから帰舎コースを想定すると、12時のタイムは、やはり1羽が飛び抜けた存在となり、仮の予測2コースはいずれも、想定時間の30分の誤差を証明出来ません。ここで、沢木さん、閃竜号に行なった特別な訓練が思い起こされます。閃竜号は、低空飛行をむしろ得意とする競翔鳩、ならば、海上を真っ直ぐ飛び帰ったと想像すべきでしょう」

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