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夢に向かい
「まあ、無理せんときな。ほんで・・あんた鳩は何時まで飼うつもりなん?」
「今春までじゃ。春レースが済んだら、香月博士、由香里ちゃんに返そ思いよる。競翔家やるんも、今度こそこの春までじゃきん、あ・・内緒ど?これ」
そんな周囲が聞いたら、びっくりするような言葉を、この日の沢木は吐露したのであった。
約束は、2年だった筈、2年目でそれは果たせられるのか?
沢木が事務所に到着した時間は、午後12時。放鳩がAM8時だとすると、既に4時間が経過している。何故こんな遅くに到着したのか・・それも沢木の脳裏にある、帰還コース予測にあった。
しかし、沢木が鳩小屋を覗くと、
「ありゃあ!閃・・お前戻っとたんか!」
それは、沢木の予想を遥かに飛び越えていたものだった。すぐ打刻はしたものの、閃竜号の正確な帰舎時間は分からなかった。12時半になって、初霜号系の5羽がばらばらと戻って来る。このスピード系を30分引き離す??否・・もっと引き離していたのかも知れない。




