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夢に向かい

「通常の鳩が、100グラム餌を喉に溜めれるとして、その倍は」

「何と・・初めて聞きましたよ、そんな事」


 磯川が驚いている。

 香月がその前の言葉を付け加えた。


「つまり、閃竜号は、既に1200キロの距離を翌日戻った実績がある。この時点において、白竜号に匹敵するスピードは証明出来ている。更に、北コースと言うこれまで誰もが到達し得なかった、海岸流と言う低空を流れる空気の層に、切り込む主翼が備わり、その複雑な気流のバランスが取れる1.5倍の尾羽を持ち、更に、その激しい気性は萎える事無く、12時間を飛び続けるだけのエネルギー源を持っている。それこそ、すずらん号とは又違う形態ではあるが、閃竜号だと。そして、今春の200キロレースにおいては、つまり失敗であったかも知れないと言う事ですね?沢木さん」


 その分析には、磯川もすぐには理解出来なかったが、説明を受けてやっと少し納得した。ヤマチューは聞き入るのみ。ここまで常識等遥かに超越したレベルまで、自分の思考は到底追いつきそうに無いからだった。


「ほうです・・分からんのは、何で西かちゅう事ですわ。当日は風こそ海上では東から西に吹いとった。鳩舎を目前の距離にして、迂回する必然性は無かった訳ですきんね」

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