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夢に向かい
「まあ・・自分なりに紫竜号の研究をして来ましたし、隻竜号では、肉体的・精神的にも自分を追い込みましたからね。あの鳩は変異では無く、パイロン3世号がこの世に生み出した最高傑作です。親鳩を超えた鳩だったかも知れませんが・・」
その先の、矢内健二鳩舎の慟哭は聞いている。しかし、それは運命・・沢木は知っている。
磯川はそれ以上は言わなかったが・・沢木が香月に質問した。
「で・・香月博士、先ほどから黙って居られるが、わしも仕上り状態については、はっきり申し上げて自信は無いです。どうじゃろうか・・」
「伺った所、輝竜号は、100キロ、150キロ、200キロと参加され、着外だったそうですね。一方閃竜号は、今春は200キロは初レース。同じく松風号異母兄弟の松竜号とタッチの差の2位だったそうですね、沢木さん。帰舎コースが読めなかったですか?今回は」
「読めんかったですわ。わしは、少くのうても、東方向からの帰舎に7対3位の比率を置いとりましたきんね」
「なる程・・つまり、閃竜号は、海上コースを大きく迂回したと」




