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希望の光
「わしね・・佐々木さんとこの由香里ちゃんが事故に遭うて、そりゃ、見とって辛かったです。ほんでも、明るい娘じゃ。自分の現実をもう未来に向けとる。血繋がっとらん他人であっても、既に由香里ちゃんと、勇次君には、姉弟の関係が出来とる。三島さん、勇次君をもしかして失う時のあの娘さんの悲しみや、絶望が分かりますか?それはね、貴方達夫婦が必死でこれまで支えて来た生活と一緒なんです。少しでも、未来が見えるんなら、わしは、どなな事でもやります。そや無いといかん気がしたんです」
沢木のこれ以上の無い言葉に、三島夫妻は嗚咽を漏らしながら彼のその手を握った。
こうして、瞬く間に沢木が行動したこの事は、全くこれも偶然にも香月の高松講演と重なり、京西博士が高松の国立大学病院に来院する日と重なった。
又、香月と、京西は同じS工大で親しい間柄でもあり、沢木の波紋は色んな所に泉が湧き出すように広がったのだった。




