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夢に向かい

 同じ頃、沢木も事務所屋上に居た。彼にしても読めない天候であった。

 無数の鳩群の中から、単羽による抜け出した飛翔は無理だ。その中から長距離なら有り得ても、飛び抜けて速い帰舎は困難・・沢木は待っていた。彼はニ方向の空を交互に見ながら、その類稀な頭脳の回転と膨大な記憶のデータの中から、割り出した仮説を組立てて行く。

 その時だった、沢木が眺めた西の方角から、きらきらするような鳩の姿が見えた。陽光に照らさせるその姿・・由香里もその姿に体が震えたと言う。天空から突き刺さるような矢が落ちて来る。


 AM8時40分だった。しかし、沢木は何故か浮かない顔・・


「はは・・こう来たか。流石に読めなんだわ・・ううん・・おいやんにやられたかも知れん・・」


 そう呟くと、沢木は、鳩時計を持って松本の所で、AM9時の事だった。松本鳩舎では後続が戻って来ている最中だった。


「お・・じゅん」


 松本が少し驚いた。そして・・

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