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希望の光
初めて、登場したのは多忙を極める三島健治の妻である、三島玲子。細身の飾り気の無い女性であった。
「はい・・話だけは主人からも聞いています。佐々木さんとことは、親戚以上のお付き合いされとる沢木さんと言うお名前だけは・・」
「ふむ・・」
沢木は、いきなりの訪問に戸惑いを隠せない三島夫婦に、こう言い出した。
「立ち入った事聞きますきんど、勇次君の眼は、先天性小児麻痺かいね?」
三島夫婦の表情は硬かった。何で、初対面のそれも全く関係の無い者に自分の子供の障害を話さねばならないのか・・。玲子の表情が強張った。しかし、沢木はその無礼は承知と言わんばかり言葉を続けた。
「昨日勇次君を見て、感じたもんがあるんですわ・・わしの知り合いに、京西博士(香月と同じS工大の天才医学者)ちゅう立派な先生が居られるんですわ。わしが、大阪に在住の頃、建築現場の二階の足場から落ちてしもて、生死の境を彷徨った事があります。その時、わしを救ってくれたんが、この先生です」




