夢に向かい
「何でじゃろ・・沢木さんは、何時も不規則なレース参加をする。合同訓練は皆と一緒にやったんじゃきんどなあ・・」
加藤が言うが、雲の上の人のやり方を想像した所で答えなど見つからない・・若者達は言った。
ところで、輝竜号は、あれだけ注目を浴びた割には、打刻した鳩達の中で30傑にも居なかったのが意外だったと周囲には映っていたようだ。沢木は忙しいのだろう、100キロ競翔後はしばらく姿を見せなかった。
すぐ150キロレースとなる。このレースも好天とは言いがたかったが、会員達には好評であり、幾分打刻数も多かった。40人程は時計をセットしていた。審査委員も増員し、又環が作った分速計算ソフトは更に改良されて、大幅に時間を短縮させていた。
AM6時半に放鳩された鳩群は、100キロに続くかなりの分速で、次々と帰舎して行った。この朝も輝竜号は悠々と2番手に戻り、打刻タイムはAM8時10分。沢木が喫茶店に8時半にやって来た。開店前の喫茶店には勿論誰も居ない。
「どうじゃ?戻んて来たか?鳩」
「あ、じゅんさん、はい。今由香里が上で何羽か打刻した見たいですわ」
「8時半か・・まあ、そんなもんじゃろのう」
洋司が座った沢木のテーブルに、コーヒーとモーニングセットを持って行くと、少し気になった事を質問していた。




