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希望の光
沢木が帰った後に、洋司が戻って来る。
八重子が、紅潮した顔で洋司に告げる。香月博士が沢木の招きでこの家に来る事になるかも知れないと言う言葉に、彼も驚いていた。洋司も又、ここまで由香里に興味を抱かせた本の著者として、その天才的な動物学者として、少なからず尊敬に近いものを持っていた。そんな人物と沢木に接点があった事は、更に彼を驚かせるに充分であった。
由香里からも、上気した顔でその事は告げられ、健治にも勇次を迎えに来た時、八重子が、沢木の「気になる」・・そんな言葉を彼に話していた。
「そうですか・・その沢木さんが、わしの家に来られると言う事ですね・・承知しました」
健治は勇次と帰って行った。
「よおちゃん・・そやきんど、じゅんさんちゃ、ほんまにどなな人なんじゃろ」
沢木を良く知る二人でさえも、余りの急激な展開に驚きを隠せなかった。
その晩、少し勇次の事で気になる事があった洋司は、沢木に公衆電話から連絡をしている。




