夢に向かい
「一方、四国に残った天魔号系統主流は、松本鳩舎で更に改良を加えられ、現在は勢山系の血が入った、松風号に代表されるような、均整の取れたやはり大型種ではあるきんど、しなやかな筋肉と、密な羽毛を持っとる」
ははあ・・沢木の説明は、誠に要領を得て居て分かり易い解説であった。
「で・・ そこからが、交配の妙、自然の不可思議、神秘な血統と言う名のDNAの行き先・・それは、誰にも読めん所の偶然性、突発性ちゅう所よのう・・松竜号は、まさしく松風号の血筋を尤も受けた、均整の取れた理想的な夜風系統の代表鳩になると思う。つまり、おいやんが、未だ硬さの残る若鳩として、成長途上である松竜号を400キロでストックし、春に合わせてきっちり仕上げて来た所に、流石じゃとわしは、この前感心したんじゃ」
ほう・・そこまで深い考えで賞賛をしていたと言うのか・・沢木の言葉には全て理論付けが成されていた。
「一方、こちらも交配の妙・・白竜号と同じアイザクソン系の血を持つ、激しい気性の白虎号と、松風号との交配は、まさか・・わしも実際仔を得るとは思わなんだ。しかし、唯一2羽の仔をこの世に送り出した血・・輝竜号は、勢山系の血を殆ど受け継いどると見る。又、松風号の血ちゅうより、勢山系が濃いと見る」




