新しい年に
「聞いた。お前の高潔な人柄はよう知っとる。橋本専務も「泣いて馬謖の首を切った」事実上の更迭や。これで真のトロイカ体制が出来あがったと思う。わしも、正味このHZKの叩き上げの中から3役が生まれて当然と思うとったからや。橋本専務は、お前が怖かったんや。お前は、飛び越えとる、その3人をも。そやからこそ、自分も辞する代わりに、HZK㈱100年の計を授けたんやろ。けどな、沢木。人の情やら、恩やら、義理ちゅうもんは、絶対に切れん。お前は、自分を律する事には長けとるかも知れん、そやけど、羽崎はんや、新川社長は、絶対に切れる間柄違うんやで?な?」
沢木の眼から涙が零れる。
善さんが、
「ほれ見い・・お前は自分だけ悪者になって、色んな事を最後にし切ったように見せかけとるが、その実は皆知っとる。そなな、お前がHZKの要職を離れた所で、その縁は切れへんのや。HZKは持ち株会社を設立した。半分はHZK本社が持つ。そやけど、残り30パーセントは、沢木お前が持つんや。せめてものそれが、羽崎はんと、新川社長の餞別や。断る事はならんで。売りたかったら売ったらええ。そやけど、HZKの命運は、大株主のお前に掛かっとんねや。だからこそ、お前の発言が今回の人事を決めたんや、分かるの?」




