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新しい年に

 後顧の憂いを無くす。橋本は優秀ではあるが、年齢から来るあせりか、理論が先行するタイプか、自分の理念を民間企業で遂行しようとするあまりに、大きな溝を役員達との間に作ってしまったようだ。このままずるずると渉外担当、海外事業部を橋本に委ねていたら、HZKが2つに割れてしまうかも知れない。そんな危惧を沢木は、羽崎・新川が、未だ隠然たる力のある今、決断を迫ったのである。自ら身を引く事を条件にして・・。羽崎、新川はその爽やかな沢木の身の処し方に、深く感謝しながら、進言を受け入れたのであった。


「え・・3月末で、沢木相談役が退任されるのですか?」


 橋本は、佐久間からそれを告げられ、心の中で思わずほくそえんだ。自分に牙を剥く危険な男。手腕もあり、人望もある。それは、喜ばしい知らせであった。

 佐久間は、


「それでですね、橋本専務。HZKでは新たに新部署を立ち上げようと思っています。これから海外に進出するに当たり、現地で指導する幹部を養成して行かねばなりません」

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