新しい年に
それは、調査の結果ほぼ事実であり、この調査仕掛け人こそ、沢木であった。全ては桜井を常務取締役として力を持たせ、HZKの屋台骨として育てたい。それが、羽崎、新川に対する御礼だと言う彼の決意だった。それは、橋本が加わり、彼が沢木を嫌悪し、追い落とそうと策謀を巡らせるより、更に上を行く2重、3重もの包囲網だった。ここに来て信一郎が、自分の恩師として、その優れた知識と見識に尊敬を橋本に抱いていたものの、父新川に、真に必要な人材は叩き上げのHZK社員にありと、こんこんと言われ、更に鈴木を中心とする、社内調査委員会が良からぬ会合を繰り返し、派閥を形成しようと言う今の動きを知った。これは、佐久間、信一郎を中心として、もう1枚、やはり常務と言う椅子を設ける事によって、結果的に橋本はもう少し力を殺いだ形で経営陣としてやって貰いたい・・そう方向が変化したのであった。まさしく敵に回せば、沢木と言うこんなに怖い男は存在せぬだろう、橋本が予感した通り、今度は自分がその詰め将棋に嵌められつつあった。HZKは、どろどろした社内事情を好まぬ、一致独立したその優れた企業力を伸ばすべきなのだ。それこそが、HZKの生きる道・・佐久間にもそれが、分かった。




