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由香里と勇次
「この白虎号は、アイザクソン系かいね?筋肉の付き具合が、白竜号とそっくりじゃ」
微笑みながら、香月は頷いた。
「貴方は、一度見たもの、触ったもの、全てが感覚的に自分の中で記憶されるのですね。或る意味、特異な能力の持ち主でしょう。瞬間記憶能力が先天的に備わった方なのかも知れないです。私も色んな方にお会いしますが、沢木さんの鬼眼と言うのは、驚異的な才能だと思います」
それには、新川、佐川もうんうんと頷いた。
「わし・・無理を言うついでに、もう一つお願いがあります。無理だと断って貰うて構わんですきんど、香月博士、四国へ来られる日程はありませんか?先程の雑談の中で、もう日本へ戻られる日も近いと聞いとりますきん」
「・・日程を見て見ます。沢木さん、その娘さんに会って欲しいと言う事ですね?」
「そうです。人には、備わった五感ちゅうもんがある。そやきんど、それは何ぼ努力しても持てない、もう一つの感覚ちゅうのがある思うんです。その感覚を持っとる娘さんです。わしは・・自分の娘と同様、この娘さんの笑顔を見る為じゃったら、どなな事でもしてやりたいんです」




