新たな誓い
「何だ・・この筋肉・・数千羽、数万羽の鳩を触って来ましたが、全く違う・・これは・?」
沢木は黙っていた。香月は、丁寧に丹念に触診して行く・・かなり時間を費やした。
眼を閉じる・・そして・・
「沢木流の使翔術・・私の予想を常に飛び越えています。つまり・・貴方がすずらん号に求めたのは、この筋肉ですか?」
沢木が頷く。
「剛・ 柔・・例えれば、そう言う筋肉を追求すればする程矛盾が生じるちゅう事ですな、つまり両方求めようとするのは、不可能。どちらかに傾かざるを得ない。例えば、柔の天分で南を制したのが、紫竜号であるならば、北を制するのは、風切る筋肉と揚力を生かせる体型・・わしの理想が、すずらん号です。30数年経ち、とうの昔の夢と諦めても居ったし、再び競翔の世界に戻るちゅう気持ちも無かった・・ほやきんど、黒竜号を触り、白虎号を触ったわしに電流が走ったんですわ・・勿論、全く見えん世界の話です。更に、その場には、香月博士が居られ、川上さんが居られ、何の因果か夜風系と言う血筋の中にすずらん号の姿を感じた・・ ほんで、今ここに居る訳です。存在しとんのが、閃竜号なんですわ」




