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新たな誓い

 沢木は、静かに・・


「わしにはね、新川・・敢えて社長と呼ばせて貰いますわ。目的や夢があるんですわ。わしの祖父母や、両親は早うに亡くなりました。家内の両親もそうです。朝夜が明けて陽がどっぷり暮れるまで、毎日僅かの田畑を耕して、寝る間も惜しんで内職をしたり、夜の仕事に出かけたり・・時代がそうじゃったんかも知れん、そやってわし等を育ててくれました。たった一人の血の繋がった兄さえも、若い血気の盛りに失い、慟哭し、途方に暮れた日々もあるじゃろ・・ほなな苦悩と、疲れた顔ばっかり見もってわしは生きて来たんです。一生懸命生きるのに必死で、子供を育てるのに精一杯で、自分の体の事さえ気付かず・・いや、気付いた所で両親は医者に掛かる暇も無かったんですわ。わしは、色んな体験もして来た。命を失ったかも知れん事故にも遭うた。新川社長のような立派な人に出会うて、善さんと言う尊敬出来る職人に出会うて、わしはこれまで生きて来た。今でこそ、ちょびっとは裕福な生活も出来よるかも知れん・・ほんでもね、新川社長、政府や、近隣や、学校や、社会は、これまで日本と言う国を支えて来たお年寄り達を、本当に大事にしとりますか?・・今の若者は裕福に慣れて、本当に大事なもんを忘れてきつつある。家に年寄りが居って、孫の世話したり、近所の悪餓鬼を叱ってくれるほなな大家族的な村社会を失うて来とる。自分勝手で、その場さえ、又自分さえ良ければゴミを放置する、モラルの欠如、人を敬い、年寄りを煙たい、馬鹿にしよる風潮が今の世の中じゃ。教育が悪いとまでは言わんで、そやきんど、年配を敬い、年寄りを敬い、力の無い子供を助け、社会と言う組織を守ろうともせん今の世の中は、違うとる。わしはね、大きな事は出来ん・・ほやきんど、会社を守ろうとか発展さそうちゅう気は無いんですわ。それよりも失うて来た大事なもんを取り戻せるほなな当たり前の村作りを、まず作りたいんですわ。新川社長・・わしは、こなな身に期待してくれとるお気持ちは良う分かります。ほやきんど、2年先には、わしはもう始動しとる筈ですきん、自分の夢に向うて・・桜井君、君のような骨太で芯のある人物こそ、常務取締役、或いは専務、社長になってHZKを盛り上げて欲しい。わしは、全面に応援するきんの・・」

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