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由香里と勇次

 沢木は一端下を向いたが、意を決したように言った。


「白虎号をお借りしたい。その激しい気性こそ、松風号の伴侶に相応しい」

「ええっ!」


 全員を驚愕させるに充分な言葉だった。香月さえも、その言葉に驚いていた。川上氏が驚いて、


「ま・・待ってくれ・・その松風号と言う鳩はRCH候補にもなった鳩だから知っている。雄鳩だよ?白虎号は、伴侶と言っただろ?今・・」


 香月がじっと沢木の顔を見詰めている。


「ええ・・知っとります。何でわしがゲージの外からじっと白虎号を見ていたかちゅうと・・その気性もありますきんど・・」


 香月がお待ち下さいと、白虎号をゲージから出し、激しい抵抗に少し苦笑いしながら、バスケットに入れて来た。


「ふぅ・・本当に人に触れさせませんね、この鳩は・・ふふ」


「理由を言います・・この鳩、何百万羽に一羽の雌雄両性を持っとります」

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