新たな誓い
父が多額の借金を残して、蒸発、そして自殺。自己破産宣告をし、何とかその借金は返さずに済んだものの、多感な年頃のヤマチューには、耐えられない環境だったであろう。そのやけっぱちなどこへも持って行けない感情を、夜の帳にぶつけた。しかし、世には人が居る。そんな彼を正面から迎え入れた、西条や、松本の存在が、正道へと彼を向けた。
話は続く。何故かヤマチューの話題で・・
「一村君は個人的に、ヤマチューのようなリーダーを目指して、死天を立ち上げた言うとる。あれから、由香里ちゃんの事も理解して、何とのうあいつらも色んな事分かったらしいわ」
そこで、環が、
「その由香里の事じゃきんど、自転車乗るん構わんので無いんかいね。うちずっと側に居ったきん分かる。あの娘は、自分が出来る事と出来ん事を、今ではちゃんと認識しとる。体が思うように動かせん言うてもがいとった時期は、思考がどんどん先に行ってしもて、いらいらしとった。ほんでも、一つ出きるようになった頃からは、もう信じられんスピードであの娘は、色んな事が出来るようになって来た。ほやきん自分の中では、もう次のステップがあるんじゃと思う」
沢木が頷いた。
「分かった・・もういっぺん京西博士に連絡取って見るわ。何しろ、S工大でも殆ど初めての施術だったらしいきんの・・」
「えっ・・!」
初めて知るその事実に、この席の者は驚いた。




