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由香里と勇次
「・・もう過去の事です、済みません、しんみりさせてしもて。わしは、今佐川さんの黒竜号を見せて貰うて良かった・・そう思いました。これこそ、わしが描いた夜風系の一つの方向を語れる銘鳩。流石に香月博士じゃ・」
香月は再度沢木に問う。
「その、もう一つの道は何ですか?沢木さん」
沢木の言葉に一同が注目する。川上氏を呼びに来た者が居た。しかし、もう少し後でと川上氏は追い返して、沢木に注目した一人となっていた。
「天魔号・・名こそ、恐ろしい剛の鳩に見えますきんど、その実は臆病で優しい鳩です」
「ほぅ・・」
香月の眼が輝いた。続けて沢木は言う。
「今の天魔号系統に勢山の血は合うのかも知れん・・そやきんど、それは本来夜風系の持つええ部分じゃ無うて、勢山系に飲み込まれてしまうもんじゃとわしは思います。それぞれ、翠波号、天魔号甲乙つけ難い銘鳩やと思うとります、だからこそ、それぞれその鳩のええ部分を継承させたいなちゅうのが、わしが思うた事です」




