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新たな誓い
「ほうか、きんど、扁桃腺腫れとんじゃったら、余り動かん方がええ。今日は又急に寒うなったきんのう」
「はい・・」
由香里は、2階にそう言われて上がろうとしたが、
「じゅんおっちゃん・・釣りしとらんの?最近」
「え・・おう・・そうじゃのう。やるの忘れとったわ。はは・・又竿磨いとくわ。落ちチヌのええポイントあるんじゃわ」
「えっ!ほれなら、わしもカレイ釣り止めて、そっち行きますわ。誘うてつか、じゅんさん」
洋司の眼の色が変わる。
八重子と由香里がくすっと笑う。師弟の関係は、恐らくこの先もずっと続くのであろう・・
多忙な中でも、趣味と言う時間は作れる。沢木は常に言う。緊張感を保ったままの状態で、人間と言うのは正確な判断が出来ないものだ。体も精神もどこかで緩める時間を作ってやらないと、集中力が切れてしまうと。
この日はコーヒーを一杯飲むと、又出先の仕事じゃあ・・沢木はそう言いながら店を後にした。




