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由香里と勇次
香月が大きく頷いた。
「そのお考え、私も同感致します。しかし・・今の沢木さんなら、そんな事は無いでしょうね」
沢木は香月を見て、にこっと笑った。
「既に、競翔界には、川上さん、そして貴方と言う立派な方が居られる・・時代は常に変わって行きます。鎌足さんは貴方の提案を飲み込まれた。それはその時間が必要だったからでしょう」
沢木の高潔な人柄は、居合わせたここに居る全員に感銘を与えた。香月が、真の天才競翔家とは沢木さんのような方でしょう・・後程語った言葉だった。
「で・・沢木・・お前は白虎号を見て何を思うてたんや?そこまで真剣に見るからには、感じたもんがある筈。言うて見い」
新川が、沢木の性格を一番知っている者として口を開くと、香月も
「沢木さん、貴方はすずらん号の活躍を見る事無く、失ってしまわれましたが、その血脈、ルーツを辿れば、貴方が現香月系の基を創られた方です。すみれ号と言う子孫を残してくれたんですから」




