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由香里立つ!

 わははは・・松本は嬉しかった。競翔鳩を譲ってくれと言って来た母娘との縁が、こんなに大きく強いものとなり、今日ここに居る。その昔天才競翔家と言われた沢木が、まさか、こんな母娘と繋がりを持ち、奇跡の手術の立役者だったとは・・ヤマチューが席にやって来る。


「おいさん、わし社長には感謝してもし切れんですわ。うちとこのお母ん・・S工大の稲詰先生に診て貰うたんですわ」

「おう、リウマチ・どななんど?お袋さん」

「高松まで、社長に紹介された言うて香川医大まで行ったんですわ、ほんなら何と稲詰先生が参られとって、そこで、先生に診て貰えたんです」


 ははあ・・これも香月博士か、京西博士の繋がりか?松本は沢木の途方も無い人脈に、そう思った。事実正解であったのだが、


「おう、ほれで?」

「お袋・・手術せんでも、1年もしたら歩けるようになる言われました」

「ほう・・不治の病ちゅうてリウマチは言われとるきんど、ほうかあ」


 松本は嬉しそうに言った。

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