由香里立つ!
「でも、昨年手術しなければ、余命半年も無いと言われ、勇次君も成功率20%と言われた難手術に成功しました。共に2年前、私のステージの壇上に立ち、その優れた音感で勇次君は、【白い雲】のバイオリン演奏を聴かせてくれました。そのお二人が、血を分けたご兄弟同然である事、そして同じ医師の手術を受けられた事・・私にとっては、何と言う偶然とは思えない縁でしょう。又、もう一つ、私のピアノ演奏会に、常に駆け付けられ、何時も応援して下さった友人である、沢木 環さんが、本日、妻鳥通夫さんとご婚約されるとの事。喜びの上に喜び・・さあ、皆さん、温かい拍手でこの4名をお迎え下さいませ。私は、まず由香里さんに、【閃く世界に眼を向けて】・・どうぞ聴いて下さい。この曲でお迎えします」
わああっ!大きな拍手が沸く、天使のような微笑みで、不自由な肢体なのに、前向きで一生懸命で、心優しい女の娘。静かな曲が流れる・・美里のピアノが心打つ。ヤマチューは眼が曇って前が見えない。でも、由香里の登場に合わせて、スポットライトを当てる。
上には、フリルのついた、白のブラウスに、淡いベージュ色のカーディガン、コーディネートされた淡いピンクのミニスカート姿・・ゆっくりと、しかし、しっかりした足取りで、由香里が現れる。




