由香里立つ!
少し和子が眉間に皺を寄せたものの、それが、沢木が今進める事業への試金石だった事は言うまでも無い。全てはここから始まっているのであった。
「その猛反発の半面、こそっとわしに相談を持ちかけて来た農家は、1軒や2軒で無かったんよ。そう言う事をずっと思いよった。そやきんど、隣近所の目を気にして、腰が痛い、もう体も動かんのに、草を生やしとったら、近所が煩い言うんで、金を払ったりしもって、近所に無理を言うて(お願いするの意)草の守をして来よったんよ。わしは、アホげな思うたわ・・競争原理っちゃそななもんで無い。隣近所と自分と比較したり、又ちゃんと今までのやり方を守らないかんちゅう・・そう言う昔ながらの慣習に縛られとるきん、他から人が入って来ん、保守的な村社会が出来上がっとる。その悪しき慣習を、無理に次世代に守らせようとするきん、どんどん若者はそっぽ向いて都会に出て行く。この地で百姓やっとったら、他の土地よりちょびっとは裕福な暮らしが出来るかも知れん。ほんじゃきんど、人には可能性が誰しもあるんよ、有り余る才能があっても、その土地に縛られて、1町歩の田んぼを、体が動かんようになるまで守らないかんちゅうもんは、無いとわしは思う。農家は大事じゃ、そやきんど、農業に人生まで縛られる事は無い。新しい形態を探さにゃならん。農地を逆説的に減らさん為にもな・・それがわしの考え」




