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由香里と勇次
沢木はすぐ興味を示した。
「おう・・夜風系・・それもどえらい鳩じゃ・・済みません、触らせて下さい」
4人が沢木に注目する。籠の外から、一瞬で黒竜号、そして血統を見抜いたこの男の動向を・・。
沢木は、じっと鳩の眼を凝視したまま。筋肉を触る事も無く、羽を広げる事も無かった。しかし、その眼は周囲を驚かせるに充分な、鬼の眼そのものだった。余りの鋭い視線に、佐川が驚いていた。師匠鎌足の裂帛の気合を感じたからだ。
沢木はバスケットに黒竜号を戻すと、こう言う。
「四国には、今松風号ちゅう、同じ夜風系の鳩が居ます。その血筋は、天魔号系で、こちらの鳩は名前もついとんでしょうが、翠波号系の血じゃねえ・・稀に見る傑物と感じました。」
驚いた佐川が、その名前と競翔成績を言うと、
「あの・・本当に競翔関係の方じゃ無いんですよね?」




