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由香里立つ!
誰よりも心が広くて、優しくて、頼りになる兄代わりの人である。これで、本当の身内も同然の間柄になったのだ。洋司、八重子も嬉しそうに3人を見詰めた。この日は水曜日、パーティーは明後日、金曜日に行なわれる。開店してすぐ、沢木が善さんと来店した。今日は現場へ出かける為で、幾つかの工事が完成間近であった。善さんと由香里は初対面。由香里は、未優とキッチンに入っていたが、
「あ、おはよう御座います、じゅんおっちゃん・・あ、善さんですね?由香里と申します。初めまして」
善さんが、顔をくしゃくしゃにしている。
「おう、良かったなあ、由香里ちゃん。その笑顔・・何時までも失う事あってはならん。ええ顔や・」
善さんの人柄が、一目で由香里には伝わった。職人として名工と言われるその姿勢は、心が透明で、揺るぎ無い信念と、自分を律する厳しい姿勢。そして心に宿す優しい心の持ち主だからだろう。
由香里が早速、モーニングセットを運んで来る。ぎこちない足取りだが、その一歩、一歩が明日へと繋がって行く一歩だった。見守る未優、佐々木夫妻であった。




